Vol.2 【学校選び】学校はスペックではなく“教育者の人格”で決まる
- Maho Hamada
- Mar 24
- 5 min read
Updated: 3 days ago

生徒さんのボーディングスクール進学を支援する私たちは、2025年秋、Japan Times主催のボーディングスクールフェアに参加してきました。
テーマは「アウトドア教育に取り組む初等部校」。
今回のイベントは、国別ではなく教育方針を軸に学校が集められていた点がとても興味深いものでした。一般的な留学フェアのように多くの学校が並び、自由にブースを回る形式ではなく、テーマに沿って招待された学校が集まり、それぞれのプレゼンテーションと代表者同士の座談会を通して教育哲学を深く知ることができる構成になっていました。
イギリス、スイス、マレーシア、日本の4か国から選ばれた7校が参加し、教育環境や理念についてじっくりと話を聞くことができる、とても充実したイベントでした。
その中で、私たちが改めて強く感じたことがあります。
それは、学校は設備やスペックではなく、“教育者の人格”で決まるということです。
学校の施設、カリキュラム、進学実績。そうした情報は、ウェブサイトや資料を見ればある程度知ることができます。しかし、実際に学校の代表者の話を聞いていると、その学校が本当に大切にしているものは、教育者の言葉や佇まいの中にこそ表れているのだと感じました。
英国ボーディングスクールが大切にしている「自然な学び」
今回参加していた英国の学校はどこも、広い自然環境の中にキャンパスがある学校でした。
彼らが語る“アウトドア教育”は、 日常に近いところで五感を使い、学びをより深めていくものでした。
例えば、学校の敷地内の森を走り回りながら自然を観察すること。
木材を使って秘密基地のような小屋を作ること。
生徒の希望で子ブタやニワトリ、ウサギなどを育て、命の尊さを学ぶこと。
絵を描きたい子には様々な画材を自由に使わせてあげたり、 機関車に興味がある子には校内のミニ機関車のメンテナンスを任せたり。
子どもたちは自分の好奇心に従い、教室の内外で発見を重ねながら学びを深めていきます。
それは、特別な体験を用意する教育というよりも、 子どもたちの日常そのものを学びに変えていく教育のように感じられました。
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そして何より印象に残ったのは、校長先生たちの佇まいでした。
知性を感じさせる落ち着きと、子どもたちへの深い愛情。 英国紳士でありながら、同時に温かい父親のような雰囲気を持つ方々でした。
The Downs Malvern
Andy Nuttall校長
特に印象に残ったのは、The Downs MalvernのAndy Nuttall校長の言葉でした。
校舎を囲む自然は、単なる背景ではなく、教室の延長として捉えられています。
自然の中では、子どもたちの好奇心が学びをリードします。
教室では大人が学びを導くこともありますが、 森の中では子どもたち自身が発見を生み出していく。
その循環の中で、知性と人格が育っていくのだと語っていました。
子どもたちは、自分なりの方法で問題を解決し、創造性を発揮することがとても得意です。
森での授業でも、その力が自然と現れるそうです。
「大人には見えないものを、子どもたちは見つけ出すのです。」
そして何より楽しいのは、子どもたちが自分の発見を誇らしげに見せてくれる瞬間だと話していました。
そうした経験を通して、子どもたちは自分の声を持つこと、そしてその声が人を動かす力を持つことを学んでいく。
その言葉から、学校の教育哲学の深さが伝わってきました。
Bilton Grange Prep School
Gareth Jones校長
Bilton GrangeのGareth Jones校長の話も、とても印象的でした。
インターネットがあればどこでも学べる今、 「ボーディングスクールは時代遅れではないか」と言われることもあるそうです。
しかし彼は、むしろその逆だと言います。
技術が発展した今の時代だからこそ、ボーディングスクールには大きな役割がある。
なぜなら、そこでは子どもたちが子どもらしくいられる時間を守ることができるからです。
学校では教室を飛び出し、広大なキャンパスを使って学びます。 スポーツや芸術などの活動も含めて、子どもたちは多くの経験を積んでいきます。
そうした経験を通して育てていくのが、
Intellectual character(知性的人格) そしてMoral character(倫理的人格)だと語っていました。
体験の豊富さだけでは、本質的な教育にはならない
今回のイベントでは、スイスのボーディングスクールのプレゼンテーションもありました。
紹介されていた体験はとても華やかなものでした。
アルプスでのスキーや雪山ハイキング、パリやミラノへの研修旅行、 チーズ作りやチョコレート作りなどの工房体験。
最初は「すごい」と思いました。こんな学校生活もあるのか、と驚きました。
しかし話を聞いているうちに、少し違和感も覚えました。
体験の豪華さは印象的なのですが、それぞれの活動がどのような教育の哲学と結びついているのかが、あまり見えてこなかったのです。
もちろん体験から学ぶことはたくさんあります。設備やリソースが整っていることで、子どもたちの世界が広がることも素晴らしいことです。
けれども、体験がただ並んでいるだけでは、本質的な学びにはつながらないのではないかとも感じました。
※もちろん、スイスのボーディングスクールの中にも、人格教育を体現している素晴らしい学校があります。今回は特に英国の学校の教育哲学との違いが印象的だったため、その点に焦点を当てています。
学校選びは「人を見る」こと
スイスもイギリスも、設備が整っていて、少人数教育を大切にし、全人教育を掲げている学校が多くあります。卒業生の進路もどちらも素晴らしいものです。
けれども本当に大切なのは、そうしたスペックではありません。
誰が、どんな思いで子どもたちと向き合っているのか。
学校選びは、設備やランキングを見ることではなく、
その学校にいる教育者を見ることなのだと思います。
これは私たちが以前から大切にしてきた考え方でしたが、 今回のイベントで教育者の皆様と実際にお会いし、 その確信をさらに強くする経験になりました。



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